谷根千の謎スイーツ「シベリア」の由来を聞き、そして味わった(サンゴダール マルジュー)

谷中銀座商店街

日暮里や谷中のあたりが最近人気を集めているそうです。谷中・根津・千駄木を総称して「谷根千」といい、街歩きや街撮りが好きな人々が日々訪れているとか。あのへんのほどよくひなびた感じ、いいですよね。独身男が静かに死ぬにはよい街なのではないかなあと、地方の漁村・農村の次くらいに目をつけているエリアです。

ただ私は昨今の谷根千ブームを聞いて驚きました。なぜなら、ご先祖様が眠っているお寺さんがある関係であの辺のイメージは完全に「お墓のメッカ」。日暮里駅徒歩1分というやたら好立地な谷中霊園なんて代物もありますし、多くの檀家を抱えたお寺さんも多数。あくまで主観ではございますが、物見遊山で訪れる街ではないという印象だったのです。

そこへ来てお盆です。墓参です。一家でお墓の定期メンテナンスを行うために集うことになりましたので、せっかくの機会だからと谷中銀座の商店街界隈をぶらついてみたのですよ。

んで、たいへん気になるものを見かけました。

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シベリア 145円也。

いや、なんですかシベリアって。ここは日本ですよ。抑留帰りの人が目にしたら背骨が折れるほど反り返りそうなネーミングの物体を、よりにもよって終戦記念日に発見してしまいました。これはもう買うしかない。

ちなみにシベリアを販売していたのはこちらのお店です。

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いかにも「街のパン屋さん」という風情がたいへんよろしいですね。

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屋号は「サンゴダール」とおっしゃるそうです。下に添えられた「マルジュー」が何を指しているかはわかりません。リア充とか、そういうネットジャーゴンでしょうか。

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店頭にはこんな感じでおすすめ商品っぽいものが並べられていました。にゃんこ型のクッキーがかわいいです。

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菓子パン系に強みがあるらしく、店員さんによるとチョコ系が人気とのこと。私が訪れたのは15時すぎだったのでだいぶ売り切れてしまったそうですが。雑誌「谷中ウォーカー」にも紹介されたんですよと誇らしげに教えてくれましたが、谷中ウォーカーなる雑誌の存在をそのときはじめて知りました。たいへん申し訳ございません。

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看板にもわざわざ書かれているほどにアピールされていたサンドウィッチ。具材がはち切れんばかりに挟まれていて超絶ボリューミィ。しかもハムエッグが150円、たまごサンドが175円と安い。「添加物を使っていないから日持ちしないんですよね」とまたしても店員さんに教えていただきました。さりげなくオーガニックをアピールです。やるな。

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だいぶ脇道にそれましたがシベリア 145円です。人気商品だそうで、私が訪れたときには残り2つと在庫僅少でした。電器屋時代であれば【在庫僅少】【売切御免】みたいなPOPをつけて煽るところです。それはともかく背後に空調のリモコンらしきものが写っていることに後から気がつき、それが無性に気になりました。

さて、そのシベリア、羊羹をカステラで挟んだスイーツの模様です。「羊羹をカステラで挟むとシベリアになるんだ、へえ」と流してもよいところですが、まったく脈絡のない命名が気になって仕方がありません。アンコをカステラで挟めばモスクワになるのか、うぐいす餡ならリオデジャネイロになるのか。バレンシアにしたければマーマーレードを挟めばいいのか。あ、それはそれでおいしそう。

考えてもわからないことは尋ねるべし、というわけで、店員さんに由来を聞いてみました。

その証言によると、シベリア鉄道をイメージした商品とのこと。羊羹のワインレッドがシベリア鉄道を走る列車を、カステラは雪原と白樺の森を表しているとのこと。天才の発想は凡人には理解できませんね。店員さんからして「いま私が何を説明しているのかわからない」空気を醸し出していたので、店主の奇想が炸裂した感じなのではと思います。

ともあれ、食い物の評価は味です。ネーミングセンスで味は変わりません。とりあえず、おひとつ購入です。

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根掘り葉掘り聞いた上に店内写真をパシャパシャ撮りまくってしまったので買わざるを得ない状況に自分で自分を追い込んでしまった感がハンパないのですけれども、とても激しく超絶的に甘そうですね、これ。一口かじった途端に高血糖で倒れかねないんじゃないでしょうか。砂糖の塊こと羊羹と、卵と砂糖がしっとり入ったカステラの東西を超えたマリアージュ。アリの巣の横に置けば、翌日には女王アリが2万匹ぐらい飛び出しそうなレリゴーです。アリのーママのー。

甘いモノは好きだけれど、最近ウエストが気になりだした私が勇気を出してとりあえず一口。

(もぐもぐ)

(もぐもぐもぐもぐ)

あらおいしい。

くどくどしい甘さで渋い緑茶が4リットルくらい欲しくなることを覚悟していたのですが、意外やさっぱり系。いや甘いことは甘いけど。真ん中の羊羹があれですね、甘さ控えめ系水羊羹。いわば草食系スイーツ。砂糖はあんまり入ってないんじゃないかな。天然系小豆の甘みオンリーで、しっかり濾されて舌触りが滑らか。瑞々しくって、つるるんしゅるんとした感じ。

一方のカステラさんはといえば、ふんわりソフトタッチな甘さ。舌の味蕾をざわわ、ざわわと優しくなでていく。これはあれですね、カステラって単品で食べてると喉が乾くじゃないですか。そういう渇水問題を保湿成分たっぷりの水羊羹氏が仲立ちをして、カステラと一体となりひとつのシベリア超特急として食道を通過していくそういうあれです。密室殺人等のミステリ事案はおきません。

よい。

サンドイッチ同様、おそらくシベリアにも保存料は入っていないと思われるのでお土産には向きませんが、流行りに乗って谷根千街歩きなんだぜオラーというときに、日暮里からの行き掛けに買い食い用として買っていくのがよろしいおやつなんじゃないかなあと思いましたです。うまかった。

サンゴダール マルジュウ
・住所:東京都荒川区西日暮里3丁目2−3 – Google マップ

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