nanapiけんすう氏が燃え上がりかけているマンガ画像の著作権について考えた


こんな記事を読みました。

マンガ画像のブログへの無断転載・掲載はみんなやっているからやってよいのか?という問題の話。(伝外超スデメキルヤ団劇)

ハウツーサイトnanapiを運営するけんすう氏のブログで、めだかボックスという漫画の画像が無断使用されているということに突っ込んだ記事です。

僕がGunosyの社長だったらこのように謝罪文を書きます(nanapi社長日記)

元記事のコメント欄でけんすう氏はこのように述べられています。

– 内容的に理解するために必要な引用である
– 表現的に、入ると入らないのとでは伝わり方に差がでるので必要である

私は弁護士でもなんでもありませんし、著作権を専門に学んだわけではないので間違っているかもしれませんが、この理由で図像の引用に正当性を持たせるのは厳しいようにかんじます。出典の漫画に対する批評や感想はまったく書かれていませんので、画像を使う必然性はとくにないと判断するのが妥当ではないでしょうか。

でも、だからといって「この無断転載の犯罪者野郎!」とはいえないのがまたむずかしいところでして……。

著作権侵害は親告罪ですので、著作権者が訴え出なければ罪に問われることはないわけです。今回のケースなら、著作権者が告発することはまずないでしょう。誹謗をされているわけでもなく、作品の宣伝にこそなれ不利益を被ることはまずないでしょうから。

同じマンガでも、「ブラックジャックによろしく(佐藤秀峰)」は転載・引用・翻案等の二次利用を広く認めることで大きな収益を上げているそうです。

ブラよろ二次利用状況 5ヶ月目。(漫画 on Web)

それまでは電子書籍関連の収入が毎月¥100万円をなかなか超えられなかったので、4ヶ月半で¥2000万円以上はアップしたことになります。

また、ジャンルは異なりますが、ゲームでは実況動画におおらかな対応をすることでプロモーションに活かすところも現れていたりするようです。

ゲーム実況公式配信許可一覧(繚乱の増し増し放送局 in ブロマガ)

こうやってあらかじめ利用範囲を定めていてくれると安心して利用できていいですね。まあ、私個人がブラよろの画像を使って何かをしたり、ゲーム実況をすることは一生ないでしょうけれども。(disっているわけではなく、それを活かす能力がないという理由です)

ともあれ、いま著作権絡みの議論をややこしくしているのは、著作権者が「この無断転載はメリットになるからスルー」「こっちはマイナスになるからアウト!」と後出しで判断できるところにあるような気がするんですよねえ。

逆に、著作権者が指摘しないと罪にならないので、ファイル共有ソフトなどで丸々コピーされたコンテンツが流通しても、本人が気がつくまで放置されてしまうという問題も抱えています。

一歩引いておもしろいのは、おなじような問題が起きても音楽だとネットユーザーの反応ってぜんぜん違うんですよね。下記に一例を挙げます。

1600億円 -音楽業界でまさかの「逆転現象」発生中(PRESIDENT Online)
上記のはてなブックマークコメント

「違法ダウンロードは売上減少の要因ではない」「本来の価値はライブであって、音源のコピーを販売して稼ぐなんてあるべき姿ではない」なんて意見が支配的に見えます。

音楽業界の過剰なまでの著作権保護の姿勢や、漫画にはライブに当たるものがないってところで状況に差はあるんですが。いや、漫画家にも原画を売るって手段があるのか。腱鞘炎になりそうだけど。それはともかく、似たような問題なのにここまで反応が変わるのはなかなか興味深いです。漫画、ゲーム、音楽に対する著作権意識の違いって、ガチで研究したら本が1冊書けるんじゃないでしょうか。

ガチガチにしても、ゆるゆるにしても問題の残る著作権。デジタル化で劣化のないコピーが簡単になった現代では、過去の法体系とは違った理念での再構成が求められているのかもしれません。

なんて、テレビのコメンテーターみたいな毒にも薬にもならない結論でしめてみる。だって、私にはむずかしすぎて手に負えないんだもの。


(同日追記)
nanapiけんすう氏が下記の記事を公開しました。本件における著作権の解釈について、ずっと詳しく書かれています。法務担当にも確認したりしたのかしらん。

漫画のコマの引用についてについての調べた結果と謝罪について(nanapi社長日記)

間違っていたら素早く認めてちゃんと謝る、炎上対策の見本のような対応です。こういう誠実な姿勢が大切ですよね、とか思いました。

手前味噌で恐縮ですが、先日私が書いた記事を地で行く対応で非常に好感しました。発言にはちゃんと責任を持ちたいものですね。

批判には責任をともなう

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