ウナギ絶滅危機に便乗 完全養殖の投資詐欺 ウナギの白焼きを送って行方をくらます

うなぎ完全養殖 投資詐欺

平賀源内の巧みなマーケティングによって土用丑の定番、日本人のソウルスタミナフードになったウナギの蒲焼き。あまりにも日本人が食べ過ぎるものだから、乱獲の影響でシラスウナギの漁獲高が50年前の200分の1にまで激減。ついにはというか、ようやくというか、国際自然保護連合(IUCN)にレッドリスト入りの宣告、すなわち絶滅寸前だと警告されるまでになってしまいました。

ウナギの生態には謎が多く、卵を孵化させ次の産卵まで育てるのには困難を伴います。そのため、いままでは稚魚のシラスウナギを獲ってそれを大きくなるまで育てる半養殖が主流だったのですが、シラスウナギがそうそう獲れなくなったこれからはそういうわけにも行きません。これまでウナギ関連産業で生業を立ててきた人々や、日本の食文化を守るためには完全養殖を商業ベースに乗せる必要があります。

しかし、ウナギの完全養殖は2010年にようやくはじめて成功した技術です。スーパーやファーストフードにまで流通するようになった現代の膨大なウナギ需要を満たせるほどになるまでにはまだまだ時間がかかるでしょう。

「ウナギの完全養殖」の悲願がついに達成 農林水産省 2010.07

そして、そんな状況を突いた投資詐欺がひっそりと現れていました。社名はライトオンサプライ株式会社。カジュアル衣料のライトオンに風評被害をもたらしそうな社名です。いや、こういう「どこかで聞いたことのあるような有名企業に似せた社名」を名乗るのは詐欺の常套手段なんですが。

そのライトンサプライ社は、「ニホンウナギの完全養殖を成功させるため、水産庁からの補助金を受けて事業を行っている」といったセールストークで巧みに投資を募っていたそうです。

ウナギの養殖事業を行っていると称して出資を勧誘する「ライトオンサプライ株式会社」に関する注意喚起 消費者庁 2014.06.19※pdf

いやはやひどい話で。詐欺師というのはまったく世の流れをつかんでもっともらしい話をでっちあげるのが上手だなあと妙なところに感心してもしまいます。これは騙されてしまう人も少なくなさそうです。

被害の詳細については朝日新聞が報じていました。

ニホンウナギ養殖かたり出資募る 消費者庁が注意喚起:朝日新聞デジタル 2014.06.20

北海道の70代女性が300万円を送金して被害に遭ったほか、全国の消費生活センターに8件の相談が寄せられたそうです。

で、巧妙なのはその手口。送金させた後に出資証書とウナギの白焼きを送ってきたそうなんですな。

……絶滅しそうだって話で煽っているのに、送るのかよ、ウナギを。

いや、きっと「これが希少な完全養殖ウナギの白焼きです。どうぞご賞味ください」みたいな文言を添えたんでしょうけれどもね。おそらくこれは犯行発覚を遅らせるための奸智なのでしょう。送金したきり音沙汰がなければ不信に思われるのも早いでしょうが、それらしい反応があったせいで疑わず、未だ被害に遭ったことに気がついていない被害者も多いのではないでしょうか。

うーん、この詐欺の手口。これから流行りそうな気がして怖いですね。なんにせよ、ウナギの完全養殖は国が主導になって進めているらしいので、一般個人に投資話が持ち込まれることはないと思ってよいでしょう。くれぐれもご用心されたし。

ウナギ統合プロジェクトチーム|独立行政法人水産総合研究センター

余談ですが、最近ブロガー界隈で話題のA8ネットのアフィリエイト案件を眺めていたところ弁護士費用保険「MIKATA」なる商材を見かけました。万一詐欺や痴漢冤罪などのトラブルにあった際の弁護士への相談費用や裁判費用を用立ててくれる保険らしいです。

こんなものの世話にならずに済むのが一番ですが、身内にヤマっ気のある人がいる場合は検討してもよいかもしれません。ただし、保険が適用されるのは申込者本人(あるいは保護者)のみらしいので、「保険代はおれが払うから、頼むからこれに入ってくれ」とお願いする感じになりそうですが。

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