猪瀬直樹都知事は本当にイスタンブールを中傷したんでしょうか?


猪瀬直樹都知事がオリンピック招致に関連してインタンブールを中傷する発言をしたのではないかと話題になっています。

猪瀬東京都知事の過激なイスタンブール攻撃に「オリンピック招致規則違反」の懸念(ガジェット通信)

ざっくり要約すると、宗教戦争に明け暮れている危ないイスラム教国でオリンピックなんかやるべきじゃないと猪瀬氏が発言したとするものです。

大元の記事はニューヨーク・タイムズ紙の模様。

In Promoting His City for 2020 Games, Tokyo’s Bid Chairman Tweaks Others(The New York Times)

この記事を寄稿(contributed reporting)した田淵広子(Hiroko Tabuchi)記者ですが、どうもよく炎上案件を招く方の模様です。

NYT記者 田淵広子がツイッターで捏造やらかす、バレる Tabuchi Hiroko rants on Twitter(世の中を生暖かく見守るブログ)
NYタイムズの田淵記者、安倍首相を厳しく批判する社説…歴史否定の「重大な過ち」(メイコのひとりごと)
慰安婦論争NYT記者vs池田信夫(togetter)
「慰安婦問題」の確証バイアス(池田信夫blog part2)

ソースがいちいちアレなのでどっちの主張が正しいのかの判断は保留しますが、とりあえず炎属性のジャーナリストであることは間違いなさそうです。

そういう背景を知ってか知らずか、本人に凸られた方がおられました。

〔報道検証〕五輪誘致:NYタイムズ紙が報じた猪瀬都知事のイスラム誹謗発言は事実なのか(togetter)

Twitterでの田淵記者の発言によれば、インタビューは4月16日にニューヨークで行われたとのこと。

産経の記者が4月16日の猪瀬都知事の行動に密着していたらしいので、ちょっと長いですが該当日の記述を引用します。恣意を疑われると嫌なので、長いですが当日の記載を全文引用で。

NY出張に本紙記者も同行 ジョギングする姿に「あれは誰なんだ?」とニューヨーカー(msn産経ニュース)

【4月16日(火)】 -2人のトップがひとつのTシャツにサイン-
 《この日はNYの古い市庁舎でマイケル・ブルームバーグ市長と会談した。今回の出張のひとつの目玉だろう。市庁舎にはボストンの悲劇をいたみ、半旗が掲げられていた》
 「ブルームバーグ市長と意見交換。福島の千年滝桜の種子の寄贈。2020オリンピックパラリンピック招致のTシャツにサインを併記しました」
 「Meeting with the Mayor. I donated Fukushima 1000-year cherry seeds. The Mayor & I signed on a Tokyo 2020 bid T-shirt」
 「I told the Mayor Bloomberg, ”Please accept my deep sympathy to the victims of Boston Marathon Bombing”」
 「ブルームバーグ市長との面会、ボストンマラソン爆発事件の犠牲者に対するお悔やみの言葉を英語で伝えました」
 《福島県三春町の「三春滝桜」の種をプレゼントした猪瀬知事。ブルームバーグ市長は市庁舎と自宅の庭に植えると約束したという》
 「(1) 昨日見た白い花の街路樹、何だったのだろうと皆で話していた。911メモリアルに同じ木があり、係りに聞いたところ、Callery Pear(豆梨)であると分かった。続(2)」
 「(2) 豆梨はニューヨークで1960年代から出回り、手入れが簡単で排気ガスなど劣悪な環境でも良く育つことから、街路樹として広まった。 続(3)」
 「(3) グラウンドゼロを訪れ、犠牲者に祈りを捧げ、花輪を手向けました」
 《ブルームバーグ市長との面会後に訪れたのは、2001年の米中枢同時テロで崩落した世界貿易センタービル跡地にできた「911メモリアル」。がれきの中から発見され、切り株から大切に育てられた「サバイバーツリー」(生還の木)のそばに献花台を設けて、妻のゆり子さんとともに献花した猪瀬知事。犠牲者の冥福とテロ根絶を心から祈ったと語った》
 《911メモリアルから移動したのは、マンハッタン中心。メディア王としてさまざまな媒体を傘下に収める米ニューズ社のルパート・マードック会長との面会だった。ところが、マンハッタンの渋滞は激しく、アポイントメントの時間にかなり遅刻する事態になった》
 「I met Mr. Rupert Murdoch, a media mogul, at News Corporation. We had a fruitful conversation」
 「メディア王、ルパート・マードックと会談。2020年五輪東京招致について。NY時間15時35分」
 「メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch, media mogul) と相互フォローしています」
 《マードック会長と相互フォローしたと書き込んだが、日本時間19日午後5時半現在、マードック会長が猪瀬知事をフォローしている形跡はない。多忙なマードック会長のこと、約束はかわしたものの、うっかり忘れているのだろうか》
 「夕食前の隙間時間にセントラルパークを6kmジョギングしました。桜が満開でした」
 《マードック会長に面会した後、やはりセントラルパークへ。身につけたのは、この日の午前中に、ブルームバーグ市長と猪瀬知事がサインを書き合った招致ロゴ入りTシャツ。各社の記者が知事を追いかけて撮影していると、ほかのランナーが「あれは誰なんだ」と記者に質問してきた》

この記事が猪瀬都知事の全行動をフォローしているわけもないんですが、アポイントに遅刻したりしょっちゅうジョギングしてたりで、田淵記者が取材したというインタビューがいつ差し込まれていたのかわかりません。あるいは、スケジュールの合間にぽろっとこぼした発言だったのでしょうか。

それから気になるのは、NYT以外に一次ソースが存在しないことです。私が見た範囲内ですが、「NYTによれば」という注釈のない報道はいまのところ確認できていません。(海外ニュースはGoogle翻訳頼みなので、間違っていたらご指摘ください。訂正いたします)

猪瀬知事「イスラム諸国はけんかばかり」(NHKニュース)
Tokyo’s 2020 Olympics bid faces reprimand for Inose’s comments on Istanbul(JDP)
O ülkeden şaşırtan İslam karşıtlığı açıklama!(Uzak Doğu Haberleri)

オフィシャルな場での発言であれば、それこそ張り付き取材をしていた産経や、その他のメディアも伝聞ではない形で報道してもおかしくないと思うのですが…。

というわけで、この報道について私が取る態度はいまのところ「保留」です。

他メディアからの続報なり、猪瀬都知事からの反論を待とうと思います。


(2013/4/30追記)
ぐだぐだに燃え上がる展開を期待していたのですが、あっさり知事側が認めてしまいました。

知事、一転して謝罪「訂正してお詫び」(msn産経ニュース)
「最後の雑談だけクローズアップ、残念」「不適切発言についてはおわび」 知事とのやりとり(msn産経ニュース)

安倍首相がトルコに行く直前なので、「さっさと火消ししろ」と指令が下ったのではと勘ぐる向きもあるようなんですがどうなんでしょう。NYTが取材から10日も遅れて記事を発表したのもこのタイミングに合わせたのではないかと言っている人もみました。なんかそこまでいくと陰謀論めいている印象ですが。

安倍首相 露・中東外遊に出発「経済外交の第一弾」(msn産経ニュース)

陰謀論といえば、イルミナティの関与を指摘する記事もありました。ここまで来るとじつに素敵ですね。

NYタイムズをうまく使った猪瀬都知事(カレイドスコープ)

な、なんだってー!(AA略

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