ドワンゴ新卒入社試験有料化に乗って奨励金を導入したオールアバウトの狙いを考えた


こんな話題を目にしました。

新卒入社試験の受験料制度導入について(ドワンゴ)
今の就活は不幸を生むだけ~ドワンゴ「新卒採用に受験料」導入の真相を、川上量生氏に直撃(エンジニアtype)
2015新卒採用 奨励金制度(株式会社オールアバウト)

ニコニコ動画を提供するWeb企業のドワンゴさんが、人気企業にやたらめったらエントリーが集まり、結果として企業にも学生にも疲弊を強いる現在の新卒就活への批判を込めて、新卒入社試験に2,525円の受験料を課す(1都3県のみ)という試みに乗っかって、オールアバウトさんが「奨励金」と称して、ドワンゴさんへ受験料を支払った学生にほぼ同額を返金するというキャンペーンを発表した、という流れ。

ドワンゴさんの取り組みについては現在の就活のあり方に一石を投じるものとしておよそ好評を得ているようなんですが、オールアバウトさんについては「悪ノリ」だの「ドワンゴの意図を台無しにしている」などと批判的な見方が多く、半ば炎上している模様です。

私としては、ドワンゴさんの問題提起はすばらしいなあと思いつつ(※あくまで問題提起として。すべての入社試験が有料になると、教育だけでなく就職にまで所得格差が響いていくるのでそれはよろしくない)、オールアバウトさんについては狙いがよくわからないので???というかんじでした。

単純に話題になって学生の注目を集めたかったのかといえばいささか疑問。C向けのメディア事業で知名度もあり、JASDAQ上場で大手資本(大日本印刷、リクルート、ヤフー)もがっちり入っているので、学生の人気はそれなりにあるでしょう。飛び道具を使う必要があるほどの採用難とは考えにくいです。あくまで推測ですが。

推測ついでに、オールアバウトさんの新卒採用ページを見て妄想を膨らませてみることにしました。

株式会社オールアバウト 新卒採用(リクナビ2015)
2015採用が終わるとページが消えてしまうので魚拓

気になるところをいくつか引用しつつ、コメントしていってみます。繰り返しになりますが、これは私の妄想ですので、真に受けるかどうかは自己責任でお願いします。

当社の仕事は組織図の枠に捉われず、編集職に所属しながら広告制作やガイドのプロデューサーを兼務したり、営業職をしながら新規事業を同時に手掛けたりと、自発性のある人、成長し続ける人に任されます。「経験のないことに挑戦する意欲」があれば色々な仕事ができる土壌がある。

翻訳すると、「かっちり縦割りで業務分担ができるほどの大組織じゃないから、畑違いの仕事でも興味を持って取り組めないとしんどいよ!」というかんじでしょうか。従業員数は150名程度ですから、システマティックに役割が細分化された組織でないことは容易に想像できます。いろいろなことにチャレンジしたい人には楽しそうな職場に思えますね。

『情報で世直し』を目指して挑む、前人未到のビジネス展開

なんだかどこかの新政党みたいなキャッチコピーであれですが。とにかく大きなビジョンを持って新しいことに挑んでいける人材が欲しいっぽいです。

2006年に新卒第一期生を採用して以来、事業主体者になりたいという意欲を持つ人材を採用し続けています。ここで言う事業主体者とは、自立した個人として意思を持ち、他者を理解し、違いを受け入れた上で協働して1つの価値を生み出していく意思と実現力を持つ人材のこと

非常にリクルートっぽい文言ですね。別箇所で『第二創業期』という表現も使われておりますし、会社沿革を見ると2012年から2013年にさまざまな新規事業を立ち上げているので、いわゆる起業家マインドを持った人材を欲しがっているような気がします。いや、多くの企業がこういう学生を欲しがっているでしょうが。

しかし、会社が大きくなって、安定してくると、なかなかそういう人材ばかりが応募してくるわけではなくなるんですよね。学歴やTOEICなどのスペックは高くとも、冒険よりも安全を求めて志望する学生さんが増えてきてしまう。

そんな風にひと通り考えてみた結論として、オールアバウトさんの今回の施策は採用プロモーションのひとつには違いないと思うんですが、「お固い会社だと思われてそうだけど、こんなはっちゃけたこともできるんだよ!」「ドワンゴの発表のすぐ後に仕掛けられるスピード感があるんだよ!」というアピールと、「ドワンゴを受けるようなベンチャー志向の学生を欲しているんだよ!」というメッセージなのかなあ、と思いました。(※果たして、いまドワンゴを受ける学生がベンチャー志向と呼べるのか微妙ですが)

何はともあれ、ドワンゴ川上氏の指摘のとおり、現代日本の新卒就活に多くの歪みがあるのは違いないと思われますので、各社様とも炎上を恐れず色々な取り組みをして欲しいなあと思う次第。ひとつの実験として、今回のオールアバウトさんの施策も大いに”アリ”なのではないですかね。

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One thought on “ドワンゴ新卒入社試験有料化に乗って奨励金を導入したオールアバウトの狙いを考えた

  1. この件についてはオールアバウトよりも、ドワンゴのほうがおかしいと思いますね
    まず就職面接で金を取ること自体が有り得ないです

    本気度を確かめたい、とドワンゴは主張していますが
    それは面接官の仕事であって、人事の仕事を放棄していることを意味しています
    本気度=お金 という考え方に根本的な問題が伺えますね
    著者が仰られているように、この風潮が当たり前になったら大問題ですよ
    今の不況、50社でも落ちたら一体いくらになるんだって話です

    ただでさえ学費に苦労している学生も多いのに、これでは追い打ちでしかない
    ネット募集で増加しすぎているのなら、ネット募集をやめればいい話です
    というより、募集が多く来て何が問題なの?って私は思いますね
    だってその分才能が集まってるわけですから
    それを見極めて人材を確保するのが企業の就職面接なんでしょうに

    私は学生を支援しているオールアバウトのほうを尊重します

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