10年間、人事畑以外で仕事してきたけど採用基準を考えてみた


こんな記事を読みました。ぜんぶはてな匿名ダイアリーです。

10年間、大企業で人事の仕事していました
5年間、大企業の人事の仕事を横で見ていました
ベンチャー企業の人事担当者だけど
3年間、中小企業の人事の横で働いてきました。

学歴、資格、家庭の事情、顔面偏差値に読書量に社会常識。そして、ありがちな「尊敬する人は?」という質問への反応など。釣りだなんだと言う人もおりますけれども、全員ホンモノじゃないかなあと個人的には感じました。採用基準って会社によって本当にマチマチで、たとえ募集要項におんなじ文言が並んでいたとしても、掘り下げると違うもんなんですよね。ある会社の常識が他社ではぜんぜん通じない。

これ、なんか楽しそうです。

私は人事担当になったことはないけれど、もし私が採用担当者だったら…という視点で書いてみたいと思いました。求人媒体を売っていたことがあるので、それとなく人事の気持ちはわかるつもりではおります故、就活する人や人事担当者の参考にしてもらえる部分もひょっとしたらあるやもしれませぬ。

妄想のリアリティを上げるため、まずは会社のプロフィールを決めようと思います。4記事とも非労働集約的ホワイトカラーな職場が舞台っぽいので、こっちは小売にしてみましょうか。店頭販売だとシフト至上主義になっちゃいそうなので、ECっつうことで。利幅が厚くないと人件費の自由度が狭まり、ブラック一直線しかありえないので、なにかしらコモディティでない商品を売っていることにします。ファブレスの中堅インテリアSPAってことにしておきましょうか。直販も卸もやるって設定で。

こんな風に書くと「現実味ねえな」って思われるかもしれませんけど、専門商社とかでこういうビジネスモデルは少なくない気がします。JネットだとかY電機だとか、そういうところにはオリジナル型番を振ったテレビ台やら鳴らないホームシアターシステムを安値で卸して、直販価格と競合しないようにするわけです。売れ残った商品も同様にオリジナル型番を振ってカタログ通販やらに大放出しちゃうわけですな。なに、難しいことではなく、出荷時にバーコードだけ張り替えれば済む話。

テレビ台とかスピーカーとか、写真だけ見るとまったく同じなのに型番も値段も違う商品ってあるじゃないですか。アレってたいがいはまったく同じ製品なんですよ。原価は同じなのに、売値はチャネルによって数倍違ったりします。

おおう、話が逸れていく。こういう設定って考えはじめると楽しくてしようがありません。設定厨ってやつなんでしょうか。

こんな話を詰めていくと、いつの間にか過去5年間の財務諸表だとか、社長の愛人の話だとかその愛人が実は部長とデキているだとか、近々専務が部下を引き連れて独立を考えているだとか、そういうどうでもいいディテールを考えたくなってしまうので、ええと、一旦箇条書きでまとめますね。

会社の設定

  • 中堅インテリアSPA。ファブレスで中国や東南アジアの工場に都度発注している。
  • 商品企画は自社でもやるし、提案を受けて作ることもある。現地の既製品をオリジナルと称して輸入することもしばしば。
  • toB(卸)もtoC(直販/ECのみ)もやる。
  • 売上構成比はtoBが7割。直販が3割だが、利益は半々。経営陣は利益率の高い直販を伸ばしたいと考えている。
  • 非上場。数年前から上場を企ててはいるが、業績に波があり掛け声倒れになっている。
  • オーナー企業だが専制的ではなく、労働基準法も労基署が踏み込まない程度には守っている。
  • 新卒採用は数年前からはじめたが、エントリーはそこそこあるものの、面接→内定とステップが進むにつれて辞退率が上がるのが悩み。
  • ブランド名はなんとなく知られており、メーカーやIT系志望の学生がすべり止めに受けるのが原因の模様。
  • 中途入社はもともと取引先で働いていた人材も多く、人事部内では「うちは●●社のリストラ先か」という自嘲気味の冗談がよく飛び交う

うーん、これぐらいでいいかな。妄想なのでボロがあるとは思いますが、そもそもテーマが「もし私が人事担当者だったら」なので、仮定の話ということでご了承ください。

基本的には学歴フィルターをかけない

こういう会社で学歴フィルターなんてかけますと、誰も採用できないという憂き目にあいます。高学歴かつ仕事ができそうな人材は、大企業にみんな持って行かれてしまうわけですな。よしんば高学歴が採用できたとしても、大企業に見向きもされなかったあまりビジネスに向きでない人材である可能性があるわけです。

採用ブランドが弱いわけですから、ターゲットを拡げなくては話になりません。かといって、「学歴不問。やる気のある若者求ム!」とかやっても、胡散臭がられて誰もやってこないか、逆に有象無象のエントリーがやってきて書類選考や面接の手間ばかりがかさんでしまいます。

というわけで、実務に即した課題でも用意して、それをフィルター代わりにしましょうかね。若干重めにしておけば、ある程度志望動機が強くなければ応募してこないわけですし、履歴書に現れない実力も見やすくなります。代筆の恐れはありますが、面接で突っ込めばそのへんは見抜けるでしょう。

問題は、中小企業で応募のハードルを上げると、そもそも応募自体が減るってことです。それについては待遇をよくするしか解決策を思いつかないわけですが、よい人材を採るためのコストだと割りきりたいところ。いくら安月給でも、給料以下しか稼げない給料泥棒を雇ってもしかたがないわけでして。

出来る人も失点のない人も

採用後の配属部門によりけりです。企画屋や営業であれば前者が欲しいし、物流や受注オペレーション等を任せるのであれば後者のタイプが欲しい。オフェンスもディフェンスも会社には必要なわけで、どちらも社内需要に合わせて採用していくと思います。

超絶強力なコネなら欲しい

主要取引先の社長の息子が修行でやってくるとか、そういうのなら大歓迎です。でも、ちょっとした縁故ならいらない。「この人を雇った方が利益が上がる」と思うから採用するわけで、年間数百万、数千万の利益を上げられるような強力なものでもなければ、コネ採用するメリットがないです。

単身世帯かとか聞いちゃダメ

単身世帯がいいか悪いかとかじゃなく、そもそも採用過程で家族に関することを尋ねるのは違法です。昔は内定候補者の素性を興信所に調べさせるってなこともあったらしいですが、いまどきそういうのもないでしょうね。高コストだし。

参考:公正な採用選考について(厚生労働省)

顔では選ばないつもりだけど、やっぱり美男美女は有利かも

人間だもの、仕方がない。まあ、イケメンに関しては嫉妬から不利になる可能性も否めません。

資格技能はあんまり関係なさそう

会社で教育しておぼえさせる余裕はありませんが、かといって特殊な資格が要求されるポストはほとんどありません。経理で人手が足りなくなったら、簿記持っている人を優遇しそうだけど。技術系の職種は…どうだろうなあ。資格と要求スペックがマッチすることって少なそうな気がします。技術の突っ込んだ話はわからないので、勘ですが。

社交性はそこそこ重要

営業は言わずもがなだけど、学者肌の人間がやっていけるタイプの会社ではありませんな。この設定だと。

ビジネス書も古典も多少読んでおけ

私の心証がよくなります。他の人は知りません。だいたい、ビジネス書も古典も膨大すぎて、人によって「これは読んでおくべき」とする本が多岐に渡るので、趣味嗜好が少しずれると採用側もそれがどんな本7なのかわからなかったりするわけですよ。

AKB48のメンバーを3人言えるかどうか

これはさすがにどうでもいい。客先でのコミュニケーションがどうたらってんなら、TVガイドでも支給してあげればいいでしょう。教育コストはほぼゼロなので、こんな会社でも許容できます。

尊敬する人、もどうでもいい

そもそも面接でそんなこと聞かない。

後半、飽きてきたきらいがある上に、無駄に凝った設定がまるで役に立ってない気がするけど、まあ私が人事担当者ならこんなかんじになると思います。

ま、どんな会社に設定するかによって中身はコロコロ変わっちゃいますけどね。

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