週刊文春『ヤマダ電機「店長の商品窃盗」証拠文書入手!』について調べたら、犯罪をする可能性は誰にでも等しく存在しているのかもと考えさせられた


こんな記事を読みました。

ヤマダ電機「店長の商品窃盗」証拠文書入手!(週刊文春 WEB)

「ヤマーダ電機♪」のテーマソングでおなじみのヤマダ電機さんですが、文春さんが手に入れた内部文書によると今年の1~8月だけで社員による窃盗・横領が36件発生し、金額にすると5,200万円分もの被害が出ているんだそう。

うーん、すごい金額です。5,200万円もあったら、うまい棒が520万本も買えますね。うまい棒の方舟で終末を乗り越えられそうな勢いです。

しかし、ちょっと疑問に思ったのは、2兆円にも迫ろうかという売上を誇るヤマダ電機さんにとって5,200万円という金額がそれほどのものだろうかということ。1~8月で5,200万円ですから、単純計算で年間7,800万円。前記の売上高1兆7,000億円で割りますとわずか0.0046%です。

平成25年3月期 決算短信(ヤマダ電機公式)※PDF

冒頭の記事にも同様のことを感じた方がいたらしく、こんなコメントがついていました。

冒頭記事のはてなブックマークコメント

ヤマダの売上規模が年間2兆円近いのに、内引き損失が年間推計8000万円弱って、むしろ優秀じゃない? 売上比0.004%って、むしろ誇れるレベルに低いですよ。横領と窃盗をごっちゃにしてる時点でアレですが。
id:zhyさん

下で誰かも書いてるが、内引きはコンビニの場合で売上比平均0.3%というから、やっぱ優秀じゃないの?文春はわかってて記事にしてるっぽい。
id:abracadabra321さん

内引き、つまりは従業員による窃盗のことですね。abracadabra321さんのコメントによれば「コンビニの場合で売上比平均0.3%」とのこと。そんな数値まで統計が取られているなんて面白い。念のため、Google先生にも尋ねてみました。

コンビニ各店舗異なるでしょうが、一ヶ月あたり平均で内引き、万引き、横領の被害額てどれくらいなんですか?(Yahoo!知恵袋)

こちらによりますと、『業界で目安にしてる額は、売価売上の0.5%』なんだそうです。

知恵袋だけではアレですので、他のソースも探してみました。

万引き犯の行動分析と検知に関する研究(大野宏/電気通信大学学術機関リポジトリ)※PDF

年間の万引き被害額は不明ロス(万引きによるものとそれ以外の内部の犯行によるものを加えた全部のロスをいう。これを外引き、内引きという。)の30~60%であると推定できる。
そして、小売・サービス業の調査結果から、業態全体の不明ロスの平均額は、売上高のほぼ1%を占める。(P.40)

つまりは、売上高の0.3%~0.6%が万引きと内引きで失われているということですね。各引用元で近い数字が挙げられていますので信憑性は高いでしょう。

となると、やはりヤマダ電機さんの0.0046%という内引き額はけっこう優秀みたいだといえそうです。

次に、従業員数あたりの発生件数に着目してみます。

IR情報 各種データ(ヤマダ電機公式)

ヤマダ電機さんの平成24年3月時点での従業員数は24,768人です。これまた単純計算で年間54件の窃盗(横領)が発生したとすると、1人あたり0.0022件の不正が起きていることになります。これは果たして多いのでしょうか。

日本全体と比較した際にどうなのか、ちょっと調べてみました。

平成23年の犯罪情勢(警視庁)※PDF
人口推計 平成23年12月報(総務省統計局)※PDF

これらによると、平成23年の検挙件数は305,924件、10歳~84歳の人口は11,286万人。1人あたり0.0027件の窃盗が起きている模様です。検挙件数ではなく認知件数で比べるともっと多くなるのですが、ヤマダ電機さんから流出したとされる資料は発覚したもののみですので、比較するなら検挙件数が適切でしょう。また、9歳以下の子どもや85歳以上の老人が検挙されることも稀でしょうから、母数から除外しています。

さて、ちょっと雑な計算ではありますが数字が出揃いました。1人あたりの窃盗件数はヤマダ電機さんが0.0022件、日本人全体では0.0027件。うーん、統計には詳しくありませんが、この程度であれば有意な差はないといってよいんじゃないでしょうか。文春さんの記事が正しいとして、ヤマダ電機さんの内部では世間並みの確率で不正が起きているというわけです。

しかし、不謹慎かもしれませんがこの数字の近さは面白いですね。最近、某有名キャスターのご子息が窃盗でお縄になりましたが、この日本においてはどんな立場や組織にあっても犯罪に手を染めてしまう可能性がほぼ等しく存在しているのかもしれません。

犯罪者が悪事に手を染めた理由を社会のせいにすることがありますけれど、案外それは間違っていないのかもなあ、なんてことを考えてしまいました。いや、だからって犯罪が許されるわけでは決してないんですけれども。

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2 thoughts on “週刊文春『ヤマダ電機「店長の商品窃盗」証拠文書入手!』について調べたら、犯罪をする可能性は誰にでも等しく存在しているのかもと考えさせられた

  1. 4年ほど前の話です。
    私は当時大学生で、某家電量販店でアルバイトしていたのですが、一度だけ社員の方が金庫の金を盗むというような事件が起こってしまいました。
    もちろんバイトの身分なので詳しいことはわかりませんでしたが、朝の連絡会義で店長の事後説明を聞く分には、その社員は何らかの事情を抱えていたようです。
    店長もやや同情的で、相談してくれていたらこんなことにはならなかったかもしれない、と語っていたのが印象に残っています。

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