消費税還元セールを禁止すべき理由


こんな記事を読みました。

「消費税還元セール」禁止を検討(NHK NEWS)

来年4月に予定されている消費税の引き上げ時に、大手スーパーなどが増税分を価格に反映しない「消費税還元セール」の禁止を政府が検討しているというもの。

で、私はこんなつぶやきをしました。

それからはてなブックマークのコメント欄を確認して、愕然。反対意見が圧倒的じゃないですか。

上記ニュースへのはてブコメント

主な批判をまとめるとこんなかんじです。

  • 市場統制をする気か。公平な競争を阻害するな。
  • 安倍政権は全体主義国家を目指している。危険があぶない!
  • どうせ「全品5%OFF」とか抜け道探すんだし、実効性ないでしょ。
  • 「税の公平負担の趣旨に反する」とか意味不明なんですけど。

なるほど、ごもっとも。私は流通経験者だからか、どうも見方が企業よりに偏っていたみたいです。

それでも「消費税還元セール」の禁止はありかなあと思います。

理由なんですが、消費税還元セールを行う際に起きることを、納入業者と流通業者それぞれで考えるとわかりやすいかな。

まずは納入業者側です。

  • 大手流通から「セール協賛」という名のリベートを強要される。
  • もっと悪い場合、起伝価格が増税分だけ切り下げられる。※
  • 従わない場合、仕入れをカットされるので利益を削って泣く泣く従う。
  • コスト削減のためにあらゆる努力を行う。

※起伝価格とは、「起票した納入伝票に記載の価格」のことで、これが切り下げられるとセール前に納品した在庫にも補填を入れなければならず、納入側の負担が激増します。噂によれば某Y電機さんなんかの値入交渉は基本的にコレらしく、涙を流すメーカーは数知れず。また、一時的に支払うリベートと違って、その後の値上げ交渉が困難になるおまけつきです。

次に流通業者側。

  • リベートを要求するが満額回答が得られない。
  • もっと悪い場合、納入業者からの協賛がまったく得られないことも。
  • 他社がやる以上、自社がやらないわけにはいかず、利益を削ってなんとか値引きする。
  • コスト削減のためにあらゆる努力を行う。

あらゆる努力」をわざわざ太字にしたわけですが、コスト削減のためのあらゆる努力とはなんでしょうか。

たとえば、製品の質や量を落とすかもしれません。最近では小麦の高騰を受けて、内容量を減らす商品が続出したのが記憶に新しいですね。過剰包装や過剰サービスなどのムダを見直す方向にいけばいいんですが、モンスター消費者大国であるわが国でそれを行うのはなかなか勇気がいるでしょう。そういえば、最近スーパーのお刺身の上にタンポポをみかけなくなりましたね。こういうのがよいコストカットです。

それくらいで話が済めばまだいいんですが、企業がコスト削減をする際に真っ先に手をつけられるものといえば人件費です。アルバイトや派遣の数を減らしたり、足りない労働力を正社員がサービス残業で補ったりといった行為が目に浮かびます。みんな大好き、ブラック企業の一丁上がりです。

そういうのも含めて「企業努力」というのは簡単ですけれども、めぐりめぐって労働者自身のクビを絞めることになりかねないのは意識したいところ。「私の夫の年収は1千万円です」という専業主婦の奥様には関係ないと思われるかもしれませんが、連日の残業続きでふらふらになったライン担当がシロップと洗剤を間違えたデザートを生産したり、消費期限切れの原料をごまかして再利用するなんて不正も起きかねないことを考えると、あらゆる消費者が無関係ではいられない問題だといえるんです。

私は基本的には自由経済の信奉者で、ほとんどの規制や補助金なんかには反対なんですが、この問題に関しては政府が強権を振りかざすのもありかなあと思います。だって「消費税アップ」はあまりにもインパクトが大きすぎる。消費者が上がった消費税に慣れるまで、ソフトランディングをさせるためには多少乱暴な手段も許されるのではないでしょうか。

まあ、消費税アップなんかしないで済めばそれが一番なんですが。

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