国際競争ガーは誤解しているけど、国際競争が平均賃金を下げたのは誤解じゃないと思う


誰の賃金が下がったのか?または国際競争ガーの誤解」という記事を読んで、「賃金低下の原因は国際競争が原因ではない」という論かと思い、あれ?っと思って、元ネタの「サービス産業における賃金低下の要因~誰の賃金が下がったのか~(pdf)」をざらっと読んでみた。

製造業においては1990年前半と2006年と2007年を除くと1人当たりの労働コストが継続的にプラスに寄与している一方、従業員数の成長はほとんどマイナス寄与であることがわかる。製造業の結果とは異なり、非製造業においては景気回復期であった2002年以降は1人当たり労働コストの上昇率が労働コストの上昇率にマイナスに、従業員数の成長率はプラスに寄与している。

お役所言葉はムズカシイです(><;)

でも、図表を見ればわかりやすいですね。

コスト上昇率の要因分解‐製造業

コスト上昇率の要因分解‐非製造業

あい、平たくいえば、製造業の雇用者数は減ったけど給料は上がった。それに対して非製造業の雇用者数は増えたけど給料は下がった、ということみたいです。

これってどういうことかもう少し読み解くと、製造業はリストラによって低賃金労働者(季節工とか派遣社員かな?)のクビを切り、そうして生まれた失業者の受け皿として非製造業が機能した、というわけです。

特に2002年の製造業の雇用減がハンパじゃないですね。その年に何があったのか、「2002年 リストラ」でGoogle先生に尋ねてみると出るわ出るわ。

電機も自動車も数千~数万人規模の大リストラを敢行しています。そしてその雇用が国内ではついに回復しなかったことは同図表の中で明らかです。

ではこの消えた雇用はどこに行ってしまったのでしょうか?

答えは明白で、海外工場に吸収されてしまったのです。(もちろん、純粋に減産になってしまった部分もあると思いますが)

というわけで、やっぱり平均賃金を下げたのは国際競争に一因があるといって差し支えないと思います。

但し、国際競争ガーのいう「国際競争の結果、国内製造業の平均賃金が下がった」は不正解で、「国際競争の結果、国内製造業の雇用が海外に流出し、低賃金の非製造業に労働者が移動した結果、平均賃金が下がった」が正解。ああ、なんて長いセンテンス。

んで、ここからは思考実験なんですが、この状況を打破し、平均賃金を上げるためにはどうしたらよいでしょうか。

とりあえず思いつくのは最低賃金を上げること。

どっかの政権与党がマニフェストにしていた気がしますが、結局実現されませんでした。

ただこれだけをやると中小企業が大量死したと思うので、短絡に実行されなくてよかったと思うわけですけれども、もし無理やりに実行するのならばどんな手段があり得たでしょうか。

最低賃金を上げると中小企業が大量死してしまうのは、価格交渉力がないために人件費コストの上昇分を売価に転嫁できないことが原因です。

それなら、製品価格の値上げも同時に義務化してしまえばよかったのでは?!

抜け駆けされると困ってしまうので、もう横並び一線に「XX年X月X日からは最低賃金を40%引き上げます。それに合わせて製品(中間財も最終製品も含む)もぜんぶ40%値上げね。あ、抜け駆けして安売りしたやつは厳罰だかんね」と。

けっこううまくいきそうなアイデアだと思いついた瞬間は興奮したのですが、これだと結局国際競争に負けるんだよなあ……。

うーむ、国際競争による給与の平準化という引力に逆らう手段はないんだろうか。

* * *

2012/9/11追記:
「それなら、製品価格の値上げも同時に義務化してしまえばよかったのでは?!」という一文のためにすっかりアホの子扱いなので、あわてて次の記事を書きました。

よかったら読んで私がアホの子じゃないってわかってください。

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