円安・株高の原因は金融緩和ではなく、安倍総裁のまとう“アブナイ雰囲気”ではないか


11月14日に野田首相が国会解散を表明した後、為替は円安に振れ、株価は値上がりしました。

原因は次期首相の最有力候補と目される安倍自民総裁が威勢よく金融緩和を叫んだおかげと言われています。

「金融緩和による為替誘導はできない」という主張はこれで崩れちゃったなあと素朴に考えていたのですが、事態はそう簡単な様子ではなく、あちこちで賛否両論が巻き起こっているようです。

私の目に付いたニュースだけですが、反論記事を挙げるとこんなかんじ。

安倍総裁の過度なリフレ政策は「経済再生に逆行」(ロイター)
日銀の独立性を尊重せよ(英ファイナンシャル・タイムズ社説)
安倍晋三氏のためのインフレ入門(池田信夫blog)
野田首相「安倍総裁の手法は“禁じ手”」(NHKニュース)
日銀総裁、国債購入「通貨発行に歯止めなくなる」(日本経済新聞)

一様に金融緩和政策のみが批判されているわけではなく、日銀の独立性がゆるがされることも心配されているのですが、市場が好感しているという事実があるにも関わらず、こうした反論が多数出てくるというのは面白いです。

実績が出ているものに対して難癖をつけるのは勇気が要ります。

それでもなお批判の声が上がるのは、どの説も「経済学的には正しい」からなんだろうなあ、と。

そもそも経済学は数学の証明などとは違い、ロジックのみで正しさが証明できるものではありません。

最近では「経済心理学」という言葉も出てきているように、人間心理も絡んだ複雑な現象と捉えられているようです。(専門ではないので間違った認識かもしれませんが)

そんなわけで、経済学では百家争鳴の論争が続いており、万人が納得する定説はあまり存在しないようです。

各学派にとっては自身の学説こそが正しく、そのため経済政策論議は神学論争めいた雰囲気をかもし出していると思います。

にも関わらず、安倍総裁の言葉が市場を刺激したのは不思議です。

「正しい経済政策」がわからないのに、なぜ市場は好感したのでしょうか。

そこで思うのは、結局のところ重要なのはリーダーの意思なのではないかと。

「禁じ手」といわれるほどの極端な政策を強行してでも景気回復をしようという強い意思こそが市場を動かしているのではないでしょうか。

(こいつはインフレor円安にするためなら何をしでかすかわからない…)

そんなアブナイ雰囲気を安倍総裁がまとっていることが現在の円安・株高を説明できる要因に思えます。

日本のナショナリズム:ポピュリストに要注意(英エコノミスト誌)

こんなかんじに、海外で安倍氏を危険人物とする見方は以前からありますが、今回の円安・株高はそれがむしろ追い風に働いたのはないでしょうか。

「景気のキは、気分のキ」とはよくいったものですなあ。

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