一連のSF小説談義で椎名誠のSF三部作がまったく触れられていない件


乗り遅れてるけど、書いてみる。

なんかここ数日、はてな界隈でやたらとSFネタが話題になっていました。100ブクマ超えの記事だけでこんな具合です。

読んでないとヤバイ(?)ってレベルの名作SF小説10選(デマこいてんじゃねえ!)
読んでおくと良いかも知れない名作SF小説8選(あざなえるなわのごとし)
読んでなくてもヤバくない名作?SF小説10選(novtan別館)
[雑記]おすすめSF小説15選(ここにいないのは)
[本の話]読んでいてもたいして良いことはないSF名作私選十作(脳髄にアイスピック)
お前らわざわざ無理してSFなんて読もうとするんじゃねえよという6冊(万来堂日記3rd(仮))
SF者に勧められても読まなくていいSF10選(あの頃の僕らは胸を痛めてブギーポップなんて読んでた)

なんかもうみなさんガチですね。古典から新作までよく読んでらっしゃる。私のようなライトなSFファンでは読んでない本がかなりありました。面白そうな本がちらほら見つかったで、こういうオススメ大会がときどき勃発するとうれしいなと思いました。(次は伝奇あたりがいいなあ。伝奇小説って質のバラつきが激しすぎて、めったに手が出ないので)

とりあえず、「あざなえるなわのごとし」さんがオススメしていた「天冥の標」はKindreストアにも並んでいたので買ってみた。

まだ全10巻のうちの1巻を読み終えただけなんですが、これおもしろいですわ。はるか未来の話で、アンドロイドとかロボットとか恒星間飛行とかしちゃってるんですけど、植民先の惑星で文明が交代してしまっていて、独自進化を遂げた人類や昆虫型エイリアン、謎の美人マーメイド(?)なんかが出たりしましてですね、伏線もがっちりで2巻も即買いです。こんな記事書いてないで続きが読みたくなってきた。

それで、例によって枕が長かったわけですが、一連のエントリーを読んで納得がいかないのはですね、誰も椎名誠の作品をあげてないんですよ。そりゃね、私だって知ってますよ。読書キチのみなさまからしますとですね、椎名誠はエッセイとか寄稿文とか買いたり、年に1回テレビに出て無人島とかモンゴルとか旅していればいいと思っているんでしょう?

ああ、もう、切ない。

SF作家のイメージはまるでない椎名誠ではありますが、じつはですね、1990年に日本SF大賞を受賞していたりするんです。

その作品が「アド・バード」。

いわゆる滅亡後の世界を描いた未来SFなんですが、その独特の世界観は他の追随を許しません。タイトルの「アド」はアドバタイジングの略。生物を含めたありとあらゆるものが広告スペースとして徹底的に活用されていった挙句に人類は滅亡を迎えたのですよ。ストーリーラインなんかどうでもよく、とにかうその奇想に富んだ世界を見せられる様が面白い。

で、これが椎名誠のSF三部作と呼ばれる作品群の1作目でして、残り2冊がこれとこれ。

「水域」と「武装島田倉庫」です。って、amazonで見たらもう絶版なのかよ。どんだけ人気ないんだよ椎名誠のSFは。とりあずKindle化リクエストは押しておいたぞ。既読だがKindle化されたらまた買ってやる!

「アド・バード」の続編ではないんですが、少なくとも「水域」と「武装島田倉庫」は地続きの世界観っぽいです。やっぱり人類文明は崩壊していて、世界中が水没していて、なんだかよくわからない生き物とか武装集団とかがいっぱい現れます。これまたやっぱりストーリーラインはどうでもよくて、世界観を楽しむ小説です。「タツマキウオ」とか、「浅沼ドクタラシ」とか、「九足歩行機(カニムカデ)」とか、そういうのがいっぱい出てきます。楽しいです。

このへんの世界観や言語センスは最近の作品だと「新世界より」が近いんじゃないかなと。「オオオニイソメ」「ミノシロモドキ」「カヤノスヅクリ」みたいな。

なんか入手困難めいている状況ではありますが、椎名誠のSFもたいへん面白いですので、図書館などで見かけたらぜひ読んでいただきたく思う次第です。

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