ブレインストーミングで劇的にアイデアを出したければ上司が最初に一番バカな意見を出せ


こんな記事を読んだ。

ブレインストーミングって知ってる? 劇的にアイデアが出るようになるミーティングのやり方

内容的にはファシリテーションの基礎の話で、これがたくさんはてブされてるのはなんでだろうなあと思ったのだけれど、はてブ数に対してコメント数やはてなスターがやけに少ないのが、ああ、なるほどそういうことなのかもなあと思いつつ、確証がない限り安易に口にしてはいけないと自省しながら、この手の記事では見かけないブレインストーミングがうまくいく裏技について書いてみようと思います。

さて、リンク先の記事に書かれているようにブレストでみんな黙ってしまうのはバカにされたら怖い、という気持ちが最大の原因です。

「菊と刀」でルース・ベネディクトに喝破されたように、日本人は恥の文化に生きているため、人からバカだと思われるのをたいへんに恐れます。

余談ですが、ルース・ベネディクトは日本に一度も来たことがないのに「菊と刀」を書いたとか。さすがは恥の文化圏の外の人です。「菊と刀」を読んでいないのにさも偉そうにこんなことを書いている私に相通じるものを感じます。

そんな恥ずかしがり屋さんの日本人ですが、他人の尻馬に乗っかる根性というのは他民族に比べて優れた部分があるのではと思っておりまして、それは多くの炎上案件に端的に表れております。誰かが叩いているなら私も叩いてかまわないという、そういう性質ですね。

しかしこれは一概に悪いこととも言えず、誰かが先鞭をつけさえすれば全力でその道を邁進する民族性が明治維新から戦後高度成長までの日本の躍進を支えた原動力でもあったわけです。

それを踏まえて本邦にてブレインストーミングを円滑に進める一番のやり方は、場において一番偉い人が一番最初に一番バカなことに大真面目に発言することです。

それをやりますと、部下のみなさまは「一番偉い人がこんなに馬鹿なことをいっているのだから、これくらいのことは話してもいいだろう」と安心して忌憚のないアイデアを出せるようになります。

すごく簡単な方法なんですが、偉い人も恥の文化に当然浸かっているわけで、また威厳を保たなければいけないとか余計なプライドもひっついているわけで、実行にはリーダー自身に道化となる覚悟が必須です。自分がいない場所で「あの課長、またバカなこと言ってさあwww」なんてネタにされることを厭わない勇気が必要とされるのが難しい点でありましょう。

もう一点、偉い人がバカな発案をするときに気をつけなければならないのは、その意見に追従するお調子者がいることです。自分ではバカな意見だと自覚しながら言ったつもりでも、賛同者が現れると「あれ?冗談のつもりだったけど実はいいアイデアだったんじゃね?」と判断を狂わされてしまい、会議は当初のバカな結論にまっしぐらという不幸な結果が待ち構えております。

それを防止するためには、偉い人は誰が考えてもおかしく一片の理さえない斜め上のアイデアを、最初に、自覚的に、でも他人にはそうと思われないように言わなければなりません。それでも追従される可能性はありますが、ちゃんと狂ったアイデアを出していたのであれば、「嗚呼この人は上席者のいうことに盲目的に従うだけの人なのだなあ」と冷静に判断するためのリトマス試験紙として機能させることさえ可能なわけです。

教科書どおりにやっているのにどうもブレストがうまくいかない、と悩んでいる会議オーナーの方はぜひ一度お試しください。

問題はこの記事を読んでいる人が一番偉い人じゃないケースですが、その場合はこの記事をプリントアウトしてさりげなく上司の机に置いておくだとか、上司のPCをハックしてホームページをこの記事にするだとか、まあそんなかんじでひとつよろしくお願いします。

最後に申し添えておきますと、ファシリテーションについて手軽に学びたいなら「ザ・ファシリテーター」という本がおすすめです。「ザ・ゴール」のような小説仕立てで読みやすいですし、またファシリテーションの技術というのは結局のところ人間の感情に配慮する定性的なものですので、下手に科学っぽく書かれた書籍よりもぐっと実務に応用しやすいと思います。

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