ノロウィルスは法定伝染病ではない


すさまじい感染力と激烈な症状で猛威を振るうノロウィルス。

毎年知人が被害に遭っており、案の定今年も会社の後輩がその毒牙にかかり会社を休んでいます。

厚生労働省のサイトによると12月から1月がピーク。

ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省)

まさにこの季節に気をつけねばならない危険な伝染病です。

その感染力はすさまじく、わずか数十個のウィルスが体内に入っただけで急激な増殖をし発症に至ります。

主な感染経路は経口と接触。

ウィルスに汚染された二枚貝を食べたり、職場や学校、家族から感染することが多いようです。

ノロウイルス食中毒の感染経路(東京都健康安全研究センター)

そんな危険なノロですから、当然法定伝染病に指定されているだろう…と思ったら、意外なことにそうではないのです。

というか、そもそも「法定伝染病」という用語がすでに人間に適用されておらず、現在では家畜伝染病予防法に定められた家畜伝染病のことを「法定伝染病」と呼ぶそうです。

法定伝染病のことを知ろう(ゆたかな生活情報館)

現在、感染症・伝染病については「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」にその扱いが定められています。

この法律の中では病名を挙げて感染症の指定をしています。

例えば、「エボラ出血熱」「鳥インフルエンザ」「コレラ」「狂犬病」などなど。

いかにも恐ろしげな病気ばかりですね。

しかし、その中にノロウィルスは含まれていません。

感染した人が無理を押して出社し、その近くのデスクの人から同心円状に倒れていったという笑えない事例も見聞きしているので、ノロウィルスもこの指定に加えるべきだよなあと素朴に思います。

が、条文をよく読むと結構強力な法律なんですね、これ。

第二十条によると、行政命令によって患者を強制入院できるようになっています。

濫用すれば簡単に人権が蹂躙できる強力さ。

過去のハンセン病差別への反省などもあり、いくら危険な伝染病とはいえ、そう易々と指定感染症を増やさないよう牽制が働いているのかなともかんじました。

ハンセン病(Wikipedia)

ちょっとした豆知識のつもりで書きはじめたら意外なほど根が深く、収拾がつきそうにないのでこの辺で。

(本当は「ノロウィルスに従業員がかかった場合、企業は休暇を強制できるのか。またその休暇は欠勤もしくは有給休暇扱いとなるのか」みたいなところまで調べたかったのですが、法律家とおぼしき人の書いている記事にまで「法定伝染病」という用語があったりして、いまいち確信の得られるソースにたどりつけませんでした。もしかしたら専門家の間でも意見が分かれているのかも。門外漢にはちょっと難しすぎる問題のようです)

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