シャープ危機に見るランチェスター戦略の失敗にサンクコスト問題が絡んでドツボったときの絶望感


シャープが危なっかしくて目を離せません。

振り返ってみると、ここ最近はほとんど毎日のように関連記事を追っている気がします。

どんだけ好きなんだ、シャープ。まるで恋する女子中学生。

はじめのうちはもっと上手いやり方もあったはずだよなあとか、戦略ミスだよなあとか、わりと厳しい目で見ていたのですが、いろいろな記事を読むうちにこれはどんな企業でも嵌まりうる道だったのではないかと、そんな風に背筋を寒くするようになりました。

液晶一本足打法だとか、過大すぎる投資だったとかさんざんな言われようなわけですけれども、もしこれらの一連の作戦が成功して、世界最大の液晶メーカーに成長していたらどうだったでしょう?

「選択と集中、成功の鉄則はシャープに学べ!」

「勇気ある先行投資の成功、リーダーに求められる決断力とは」

とか、いまごろ日経ビジネスやらダイヤモンドやらで特集を組まれてたんじゃないですかね。

そう、局面局面での判断が正しかったのが怖いんです。

何年か前まで間違いなくシャープは液晶テレビのリーダー企業でした。

しかし、総合家電メーカーとしてはパナソニックやソニー、PCメーカーとしてはヒューレットパッカードやDELLは言うに及ばず国内メーカーの中でも最後尾組。業務向け領域でもパッとするものはありません。

ここで日本の主要メーカーと規模を比べるために、連結売上高を並べてみます。(細かく調べるのが面倒なのでいずれもWikipediaソース)

日立 … 9兆3158億円(2011年3月期)
パナソニック … 8兆6926億円(2011年3月期)
ソニー … 7兆1812億7300万円(2011年3月期)
東芝 … 6兆3815億9900万円(2010年3月期)
シャープ … 3兆219億73百万円(2011年3月期)

東芝だけ情報が古かったりして「ウィキペディアンに愛されていないんだなあ」とか余計な感想を持ってしまいましたが、ともあれシャープはダブルスコアで負けています。

家電メーカーとしてシャープは小兵。弱者だったわけで、ランチェスターの第1法則に従うならば、得意の液晶領域に経営資源を集中するのは疑いようもなく正解だったわけです。

さらに液晶テレビの領域に絞ってみるなら、マーケットリーダーたるシャープは、コトラー先生の競争地位戦略に従って、後追い企業を振り切るシェア拡大に邁進するのもまたやはり正解だったわけですよ。

それなのに、たとえば5年前の時点で、「いやー、液晶はそのうち韓国企業にやられて儲からなくなるっスから。シャープさんはお家芸の電卓作りましょうよ!電卓!」と言えた人はいないんじゃないかなあ。(※電卓じゃ儲からないけど)

そして、巨額の投資が今度はサンクコスト問題を招きます。

カタカナで書くとカッチョイイんですが、負けが込んでしまうバクチ打ちの心理と同じで、「これまでこんなに金をつぎ込んだんだ。サムソンのトップシェアが連続6年も続いたことこそが不運……。そうだ!次こそは、次こそは絶対に勝てる!」と。

ざわ…ざわ……

そろそろ背景がグニャ~とゆがむころですね。

カイジとかアカギとかの画像を貼りたいところですが、著作権法違反なのでぐっとガマン。

そんなこんなで後戻りのできない泥沼に突入してしまい、身動きが取れなくなってしまった結果が現在のシャープです。

退くべきタイミングはどこかにあったのかもしれないけれど、巨大化した液晶事業の代わりになれるほどの事業は他に育っていなかったわけで、縮小均衡狙いに見える液晶撤退という選択肢はどうやっても選べなかったんじゃないかと思います。

書いていたらなんだかどんよりした気分になってしまったので、最後はシャープさんへのエールで締めたいと思います。

がんばれシャープ! プラズマクラスターはシャープだけ!!

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