「椅子に座らされ、1時間にわたって罵詈雑言…泣くに泣けない「内定辞退」の現実」はデマではないか?


こんな記事を読んだ。

椅子に座らされ、1時間にわたって罵詈雑言…泣くに泣けない「内定辞退」の現実(産経ニュース)

内定塾講師という肩書きの石橋正行という方が書いている「プロが教える就活最前線」という連載の一記事だが、こういう風に就職活動中の学生をいたずらに不安に陥れるような煽り記事はよろしくないと思う。

私は2007年前後に某大手で新卒求人媒体の営業をしていたことがあります。

私が担当したのはのべ100数十社程度ですが、担当した会社はもちろん、その会社で取引をしていた数千社(万以上だったっけ?)でそういった悪質な事例が発生したと聞いたことはありません。

営業から取引先の人事に対しても、いつか顧客になる可能性があるのが学生たちなので、内定辞退でも粗雑に扱わないよう伝えていましたし、また企業人事側でもそういった認識は常識として備わっていました。

ですので、リンク先の記事にあるような事例は都市伝説かデマ、あるいは本当にあったとしても極めて一部にしか発生していないと思われます。記事中の事例では「大手」とありますが、大手こそこういった風評やコンプライアンスには敏感なので、少なくとも上場しているような企業がこのように野蛮で軽率な振る舞いをするとはとても考えられません。

ソーシャルメディアの普及で内定者間の横のつながりも増しており、辞退者に冷たい扱いをすればそれが洩れ伝わってさらなる辞退者を発生させてしまうことも想像だに容易です。

それに、企業側も内定辞退が一定数発生することを見越して内定を出しているので、数人が内定辞退をしようが実は想定範囲内だったりすることが多いです。

そりゃあ人事的には内定の無駄打ちはしたくありませんし、また採用目標数ぎりぎりしか内定が出せなかった場合には内心穏やかではないでしょうが、記事中にあるような嫌がらせをする暇のある人事はほとんど存在しないと思います。

残念ながら100%存在しないと断言するのは悪魔の証明ですので不可能ですし、もしかしたらこういう会社もわずかに存在するのかもしれません。

しかし、ほとんどの会社でこんなことは行われないので、学生さんはこんな記事に踊らされず、内定辞退をするときは怖がらずに正直に伝えてください。

ただ、お願いをしたいことがひとつだけ。入社する会社が決まり、他を辞退する意思が固まったのなら、なるべく速やかにそれを人事に伝えて欲しいです。

人事が一番困るのは入社直前になっての辞退です。受け入れ準備が無駄になってしまいますし、追加募集をかける時間もなくなります。

入社人数を踏まえて研修計画を作っていた場合は、内定者仲間にも迷惑をかけてしまうかもしれません。

また、一緒に就活戦線を戦っている学生たちのことも考えてくれるとうれしいです。

あなたが仮押さえしている椅子を早めに手放すことで、その椅子に座れる学生もいることでしょう。

過去にこんな記事も書いているので、よかったら参考にしてみてください。

新卒が就活で陥りがちな3つの詐欺的な誤解。またはより豊かな人生を歩むために知っておきたいこと


(追記)
石橋正行氏が所属する「内定塾」は受講料168,000円だそうです。需要もあるのでしょうし、ビジネスモデルに云々いうつもりはありませんが、氏が就活に不安を覚える学生が多いほど捗るビジネスをしていることは、記事を読む上で念頭に置いた方がよさそうです。

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私の過去の経験に基づいて書いているだけで根拠が弱く、学生さんが安心できないと指摘を受けたので調べて続きを書きました。

内定辞退が増えている!というデマ

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