「同じ素材でも料理の仕方でまるで受け止められ方が変わる」という当然のことに驚いた


こんな記事を読んだ。

さらば安売り! ウチは「量販店の2倍の価格」でテレビが売れる(日経ビジネス)

「でんかのヤマグチ」というお店が、サービス水準をひたすら上げて高価格でも購入してくれる顧客を囲い込んで成功している、という話。電球の取替えを無料でやったり、街で病院に向かう途中のお客さんを見かけたら送ってあげたり、普通の家電量販では考えられない手厚いサービスを実施する代わりに、商品はかなり高額でも販売できているそうです。

「でんかのヤマグチ」さんは業界ではかなり有名なお店で、業界誌でもしばしば高価格販売で成功しているモデルケースとして取り上げられていたお店です。各地から個人経営の電器屋さんの二代目が弟子入りに来るほどでした。過去形なのは、私が業界を離れて長いため。いまはどうなのか知りません。

ときどきメジャー誌やテレビ番組でも取り上げられていたのですが、最近名前を見かけないのでてっきり潰れてしまっていたのかと思いました。相変わらず商売繁盛されているようでなによりです。

そう思って、こんなツイートをしました。

このつぶやきの後、はてなブックマークのコメントを見て愕然。否定的な意見がけっこう多いんですね。

上記記事のはてなブックマークコメント

ブラックだとか、気持ち悪いとか、こんな店じゃ働きたくないとか。うーん、そんな風に感じられてしまうのか。

実際に家電量販店の店頭に立って働いていた身からすれば、従業員にとって「でんかのヤマグチ」さんの働き方ってかなり理想的なんですけどね。電器屋で働いていて一番嫌なことは何かと言ったら価格交渉で、まずそれがない。一方うれしいことって何かと言えば、自分の知識や技術を活かしてお客様から感謝の言葉をいただけることです。普通の家電量販だと、前者ばかり多くて後者はほとんどないんですよねー。

んで、3年前にも「でんかのヤマグチ」さんが取り上げられた記事がありました。

いい人財、いいチーム、いい組織をつくる!(オルタナティブ ブログ)

内容はこっちの方がずっと濃いですね。表面に見えるサービスの良さだけではなく、背景にある数字も細かく説明しています。この記事を読むと、「でんかのヤマグチ」さんが誰かれかまわず手厚いサービスを施しているわけではなく、優良顧客のみに絞り込んで拡販していることがわかります。

で、その記事に対するコメントはこちら。

上記記事のはてなブックマークコメント

否定的な意見もありますが、ターゲティングの好例だとか、価格だけで勝負しないのはすばらしいとか、こんな店でなら働いてみたいとか、肯定派が支配的です。

どっちもおんなじお店の話なんだけどなあ。

たぶん、「でんかのヤマグチ」さんのやり方は3年前から変わっていません。受け手側の労働観はブラックに厳しくなったのかな。でも、それ以上に痛感させられたのは「同じ素材でも料理の仕方でまるで受け止められ方が変わる」ということ。

よく言われることではありますが、これほどはっきり違いが出ているのにはびっくりしました。

記事の書き手という視点でも、情報の受け手という視点でも、すごく勉強になる事例だと思ったので書き残した次第。

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